時代を視る

2024年8月ニュースレター 時代を視る NO361

2024年8月10日

一般財団法人WIN WIN 代表 山口 積惠

今年も猛暑日が続きます。暑さに加え、梅雨前線による大雨で、甚大な被害にあわれた山形・秋田を中心にした東北地方の方々に心からお見舞い申し上げます。日本のみならず、世界的に不安定な気候になっているのではと思うのは、私だけではないと思います。

世界ではパリで、第33回夏季オリンピックが開幕し、開会式は世界初となるスタジアムから飛び出し、セーヌ川で実施するという斬新な試みが注目されるなど、話題は尽きません。

 

 

国内に目を移せば、9月に行われる自民党の総裁選に出ると噂される候補者の動向にも関心が高まっています。だが、どうしても気になるのは「選択的夫婦別姓」に対する自民党内の意見の相違です。

今年6月、経団連は、結婚後も希望すれば夫婦それぞれが従来の姓を使用できる「選択的夫婦別姓制度」の導入を求める提言を公表し、政府に対して「一刻も早く」(新聞報道による)制度導入をと訴えました。

これに対して自民党は、「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム」(WT、逢沢一郎座長)の会合を3年ぶりに開催(7月18日)して議論をしたという。報道では、このWTには27人の国会議員が出席し、各国の制度などについて説明を受け、その後にそれぞれが選択的夫婦別姓について賛否を述べたといいます。賛成意見が多かったようですが、一方で導入すれば「家族としての位置づけが不安定になる」と懸念を示す議員もいるなど、相変わらず導入に対して意見が割れる自民党内部が透けて見えるようでした。

日本は世界で唯一、結婚した際に夫婦が同じ姓に統一するように法律で定められています。夫婦の95%は女性が改姓しているといいます。同姓を強いられることは、経団連が指摘したビジネス上のリスクを生むにとどまらず、多様な選択肢が示されないことで男女が平等に扱われていないことの根拠にもなっているのでは・・・。

先送りはいつまで続くのでしょうか。

 

 

先月号でお伝えした赤松政経塾は、WINWINの活動の一つであり、1年間の学びを無事に終えた

受講生は修了式を迎えます。

 

 

第9期の修了式は7月20日。都内にある国際文化会館にて修了証授与式が行われました。修了証書を授与する11名のうち、対面にて渡すことができたのは4名で、オンラインでの参加は2名でした。

 

修了証書の授与の後は、それぞれ感想や抱負を述べていただきました。大窪香織さん(宮城県)は「受講がオンラインででき、遠方でも受け入れてもらっていると嬉しかった。毎回、赤松先生のことばを聞けたことは今後の励みになります」と語ってくれました。

菅澤環さん(千葉県)「地方議会に女性が少ない。増やしたいという思いで参加しました。毎回、政治と経済分野の専門的な話しが聞けたことは参考になりました」。

三岡美樹さん(東京都)「1期から参加しています。私は産業界で頑張っていきたいと思っていて、これからの女性政治家は経済問題にもっと踏み込んでもらいたいです」。

渡邉三由紀さん(神奈川県)「日ごろはオンラインで参加していました。政経塾で一緒に学んでいる人が政治にチャレンジしていく姿に刺激を受けました」。

オンライン参加の青木隆子さん(鹿児島県)「男尊女卑がまかり通っている風土の中、選挙で男性が築いてきた地盤を崩すのは大変ですが、女性候補者の応援をしていきたいです」。

修了者の中からは「あと1年がんばって力をつけたい」「今後も政経塾で学んでいきたい」という声もあり、政経塾を運営するスタッフは大いに力づけられました。