時代を視る

2024年5月ニュースレター 時代を視る NO358

2024年5月13日

一般財団法人WIN WIN 代表 山口 積惠

「時代を視る」目を繋いでくことがわたしたちの責務

 

1月19日の新年会で、あんなに元気でおられた赤松良子さんが、2月6日に亡くなられたことを聴き、しばらくは、柱を失った放心状態でおられた会員の方々も多かったことでしょう。

私もそんな気持ちを抱えてWIN WIN の運営委委員会に参加すると、そこには赤松良子さんの遺言の執行を託された弁護士さんが来られていて、赤松さんの遺言の内容を話してくださいました。赤松さんは、ご自分の財産を親族の方々、学ばれた津田塾大学への寄贈、そして唯一の女性団体としてWIN WINにも一部を残されていました。このことの意味は大きいと思いました。

赤松良子さんは、事務局を置くマンションの1室(ニューステートメナー725号室)を、一般財団法人設立時にWIN WINの財産にしてくださった上に、さらに遺産を遺してくださったのです。赤松良子さんは、生涯をかけた願いを「WIN WINの未来」に託されたのです。 このことは、残された私たちがWIN WIN をどう育てていくかが問われているのだと思いました。

赤松良子さんの人生のあゆみが日本経済新聞の「私の履歴書」に掲載され、赤松さんの著書として1冊の単行本にまとめられていますが、この本のタイトルは「男女平等の長い列」でした。女性たちが男性と同等ではなく、社会から期待されず、持てる能力を十分発揮することができなかった時代。赤松さんの心の底にあった正義感・女性に対する温かくやさしい応援の心は、男女平等法実現への熱い願いとなっていたのです。赤松さんの願いの根底にあるのは「人権」であり人がその命を精一杯花咲かせる事のできる時代を後輩たちに何とかプレゼントしたいというお気持ちだったのだと思います。

 

遺された私たちは、心を一つにして協力し合いながら新時代のWIN WIN を創り出していかなければならないと感じています。

「季刊オピニオン・プラス」に掲載された赤松良子さんの新春提言「日本の政財界は、女性リーダー育成が急務-政界は女性議員を!経済界は、役員・部課長を!」は、現在の時代の空気を創り出していると感じています。

欧米先進国の男女賃金格差が9割に迫る中、日本はいまだ75%、この大きな原因の一つは、女性管理職が少ないことであることを、政府も経済界も認識し始めています。

 

3月7日に「クォータ制を推進する会」(Qの会)が開催した院内集会には、全政党の代表が集まり、候補者男女均等法の「議席の半分に女性を!」というテーマに、前向きに取り組んでいこうとする姿勢を見せました。「法律が社会を変えていく」ことを、現在NHKの朝ドラでも発信していますが、法律を創るのは国会の議員たちです。女性議員50%は、2030年の国連の目標でもあります。

WIN WIN は、赤松良子さんの遺志のもと、これからも日本社会に発信し、女性議員を増やして参りましょう。(WINWIN理事 渡辺嘉子)