時代を視る

2023年7月ニュースレター 時代を視る NO351

2023年7月10日

一般財団法人WIN WIN 代表 赤松良子

ウクライナを想う

 

近年、新聞やTVで頻繁に登場するが、さっぱり内容が知られていない国がある。少なくとも私にとってはそうである。曰くウクライナ。これではならじと書庫を探してみたら、見つかったのはたった1冊! でもちゃんとした本(「物語ウクライナの歴史」黒川祐次)だったので嬉しい。手元に来ていた雑誌「絲綢之路(シルクロード)」も眺めたがこれは場所が違っていた。

そこで得た知識をもとに、画いてみた私の頭の中のウクライナ。ヨーロッパ中部にある小国と思っていたのは間違い。面積では、ロシアに次ぐ大きさである。長ーい国境で東はロシアに接し、これではその関係、さぞ大変なことだろう。西は、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、ルーマニアなど、私もその名を知る東欧諸国と接しているから、ロシアとは違った複雑さで気のもめることであろう。現在のウクライナの人口5000万人とあったが、これには?? 本当かしら。0が一つ多すぎるんじゃないか。農業国なんだから・・。日本の江戸時代が続いていた間ずっと4000万以上にはなれなかったことを思い出す。でも大変な穀倉地帯だというから、大丈夫なのか。だからこそ、この地域、ロシアにとって大切な場所なのだろう。ちゃんとロシアに寄り添っていてくれなきゃ、一大事でしょう。それがドイツやフランス=西欧諸国にシッポを振り出したら、じっとしては居れない。実力行使して、こちらを向かせよう。それが最近のロシア。ウクライナ侵攻に至ったこの国のあせり、と見える。やれやれ。

 

そこへ、日本ユニセフ協会(私の勤務先)から、機関紙が届いた。(ユニセフニュース)「UNHCR(国連人権高等弁務官事務所)」の報告によれば、「ウクライナ国内では毎日平均2人以上の子どもが死亡し、4人以上が負傷している。そのほとんどが、人口密集地で爆発性の兵器(地雷か)が使用されたことによるものです。

本年6月1日時点で、人道支援を特に必要としている子どもの数は、ウクライナ国内で300万人、難民を受け入れている国々で220万人以上にのぼっています。ウクライナの子どもの3人に1人が、住み慣れた自宅を離れ、避難生活を余儀なくされています。」

どう考えても今度のウクライナへのロシア侵攻は非道な行いとしか思えない。

 

暗いニュースばかりでは情けない。一つ明るいものを・・・。「日本ユニセフはウクライナ政府や人道支援団体などのパートナーと力を合わせ、210万人に、保健・医療物資を配布し安全な水を届けました。また、61万人以上の子どもと親などの保護者に対して心理社会的支援を行い、約29万人の子どもに学用品を提供しています。周辺国のモルドバ、ルーマニア、ポーランド、イタリア、ブルガリア、スロバキアでは、紛争から逃れて移動している家族向けに、国境付近に支援物資の提供や心理社会ケアなどを行う拠点『ブルードット』を25カ所設置しました。(中略)

ユニセフは、ウクライナと近隣諸国において、子どもたちに人道支援を届ける活動を続けて行きます。」