時代を視る
2016年10月 ニュースレター 時代を視る Vol.199
2016年10月10日
WIN WIN代表 赤松良子
「女性活躍の時代」は、ヨーロッパでは既に現実のものとなっている。最強のメルケル(独)首相に加え、メイ(英)首相が登場した。フランスでは、トップは男性だがパリテと銘打って閣僚の半分を女性にして憲法が有名無実ではないことを内外に示したのだった。アジアも負けてはいない。韓国の大統領は見事女性、台湾でもこの夏女性が総統に選出された。ミャンマーは国籍の問題で大統領にはなれないのだというが、事実上のトップはあのスー・チー女史(外相)である。アメリカでは、今熱戦をくりひろげるヒラリー・クリントンが勝利すれば、アメリカ史上最初の女性大統領が実現する。世界中で多くの女性が、11月の選挙の行方を見守っている。ひるがえって、わが国の状況はどうなっているのか?「女性の首相が出るのは何時でしょうか」という質問を公の場で受けて答えに困ったことがあった。「まだ数年は待たないと無理でしょう」とか何とか逃げるしかなかったが、それから数年たった今、まだとても実現しそうにもない。ン? でも野党第一党の党首に女性がなったではないか。そう。しかし、その党いつ政権がとれるのか。「それが疑問じゃ」(ハムレットの心境である)もう一つ大事件があった。都知事選である。自民党の衆院議員の女性が党の方針に反して、立候補し、除名をものともせず、党の立てた候補に大差をつけ(もち論野党の候補にも)て、当選したのである。東京都というのは、他の府県とは格段の差があるのは言うまでもない。第一、国の首都であり、人口は巨大でニューヨーク、ロンドンと並ぶ世界有数の大都市である。その予算規模はスエーデンぐらいの国をも上廻ると言われる。それ!というので海外のメディアもすぐ取り上げ、MS.Koikeの名は世界に知れ渡った。(ニューヨーク・タイムズの取材あり)この小池都知事、次期オリンピックの主催地になる東京の代表として、地球の反対側のリオ・デ・ジャネイロまで出かけて、大会の旗を受け取り、着物姿でその大きな旗を振ってみせた。私はブラジルの隣国のウルグァイに住んでいたから知っているが、リオという町、日本から本当に遠いのである。夜成田を出たら、朝着いていたというようなわけにはいかない。乗り継ぎをして、もう一つ長旅をしなければならない。でもあっという間に帰国して、早速都議会で魚市場の問題とかで、答弁に立たねばならない。「前知事の時の問題だから知りません」と言っていられないのは公職の定めである。
他方、国会や地方議員の女性の割合は、夏(7月10日)の参院選の結果、やや上昇した。改選前15.7%(38名/242名)から20.7%(50名/242名)になったのである。それでも、衆院がひどく低い(473人中44人 9.3%)ので、国際比でみると、190国中100位以下、最低のグループに属している。それではならじ、と10月7日に「政治分野の男女共同参画推進法案(略して推進法)の提出を求める女性団体が結集して大集会があった。日本の女性も動き始めるぞと思いたい今日である。