時代を視る
2015年9月ニュースレター時代を視る N0.186
2015年9月10日
WIN WIN代表 赤松良子
8月30日のデモはすごかった-ようである。参加もしないで言うのはおかしいが、新聞などでちゃんと伝わった。60年安保の時以来の事だという。SEALDSという聞き慣れない言葉が飛び込んできた。60年の時、30歳の私は国会の廻りを何度も歩た。学生ではなかったから「全学連」では勿論なく「全労働」なる労働省の労働組合の役員をしていたのである。穏健な組合員だったのに「岸を倒せ」の大合唱に加わっていたのだ。そして岸内閣は倒れた。あれは、安保条約そのものの内容が悪かったのではなく、国会を通した手法の強引さが反感を買ったのが要因だったと記憶している。それに首相が戦前の大官僚で満州帝国で辣腕を振るい、そのため戦犯として巣鴨プリズンに入っていたという経験も嫌われた理由だった。
細かい経緯は忘却の彼方に去ってしまったが、とに角あの連日のデモと「岸を倒せ」の大合唱は忘れられない。
一方、今月下旬に迎える自民党の総裁選。安倍現総裁の一強以外のCandidateがなく、無投票、当選となるか、という噂が流れた。現政権へこんな大きな批判の声があがっているのに、与党内にそれを受けとめる勢力が皆無だとしたら、自民党も淋しすぎるではないか、長期にわたって政権を荷ってきただけあって、この党には様々な考えの人がいて、いろいろなことを言うのを許容する懐の深さがあると言われてきた。Conservativeと一言で言われても、中には結構なLiberalistもいる様子だった。現役の首相が犯罪者となるという大スキャンダルがあったあとでさえ政権を失うことなく全く毛色の変わった政治家を担ぎ出して首相にし(三木首相)、それで政権を手放さなかった。この総理は小派閥の主であったが、女性政策に熱心で国連からの風に乗って(1975~85年が国連婦人の10年)女性政策を躍進させるのに力があった。(三木内閣の下で婦人問題企画推進本部設立)
こんな回想にふけっていたら、自民党の総裁選に女性が立候補するという報道が流れた。野田聖子前総務会長の名である。推薦者の頭数が足りないとも言うが、御本人は「義をみてせざるは勇なきなり」と意気軒昂だと言う。大いに頑張ってもらいたい。ヨーロッパはメルケル首相、アジアにはお隣り韓国のパク大統領、ラテンアメリカにはブラジルのジルマ大統領と大きな山がそびえているのに、日本の現状がかけ離れているのは残念だから大いにエールを送りたい。そして、今政権は、女性や若者たちの「反戦」の大きな声に耳を傾けるべきだと強く思うこの頃である。
(野田氏の立候補が不可能というのは残念!)。