時代を視る
2015年7月ニュースレター No.184号
2015年7月11日
WIN WIN代表 赤松 良子
6月末日、クオータ制を推進する会(Qの会)の院内集会が参議院会館で開かれ全国から100人以上の人々が集まり大盛況だった。「何の四分の一なの?」とクオーターと間違えられ乍ら数年がたって、大分世の中の認知度が高くなってきたようで、喜ばしく感じる。クオータ、つまり割り当て率を何パーセントにするべきかを考えているところへパリテ(50-50)というアイデアが登場して注目を集めた。さすがはフランス! 進んでいる。人口の半分は女性なのだから、その代表が半半であるべきだというのは極めて明快である。202030(2020年までにあらゆる場のリーダーの30%を女性に)というのも、結構アピールしたが、「何故30%なの?」という問いに答えるのは必ずしも容易でない。
「望ましいのは50-50だが、まだ当分はムリだから、せめて3割を」ということでしかない。つまり、根拠があいまいなのである。ひきかえ、パリテは「人類は男女半半」が根拠なのだから極めて明快である。
だが、しかし、国会議員や地方議員の半分を女性にすることなど到底実現困難ではないかと誰しも思うところだろう。そこを突破したのが「ペア候補制」という奇手であった。政党がCandidateを立てる時、ある男性を考えたなら、もう一人女性を見つけペアとして完成できる。
女性を先に見つけたらペアを組める男性を探さなければならないというのである。 なるほど、これで確かに50-50にはなる。フランス人は創造性に富むんだ。何しろ18世紀に革命を起こしたんだから、と変に感心した。世界に例を見ないことをやってのける人達なのだ。前例ばかり気にして独創的な事には手を出さない
どこかの国の人とはとても違う人種らしい。確かに、良い前例を見習ってやっていれば安全であるが面白味は足りない。世界で初めてなんてことをやるには、大きなリスクを覚悟しなければなるまい。その代わり、わくわくするように面白いに違いない。やや視点を変えて、クオータ制を私達が一生懸命推進しているのは何の為だろうか? 女性の地位の向上のために、それが有効だからという理由は間違っていないと思われるがもう一つ重要なことがある。今の日本で、それは平和を守るためにも有効だということである。日本の男性で平和を大切と考えている人は決して少なくないであろう。しかし、それ以上に女性は戦争が嫌いである。
生得的な男女の相違を言い立てることに私は反対の方だが、どうしても否定し難いのが、男の方がずっと攻撃的な性格が強いということである。普段は理性で抑えているが、時として爆発して取っ組み合いになるのを、共学の大学に入ってすぐ、目の前で見て驚いたものだった。攻撃性イコール戦争では勿論ないが、重なりがちなことも事実であろう。物事を決める場所に、女性がちゃんと存在し発言することが不可欠だ