時代を視る

2015年4月 ニュースレター 時代を視る Vol.181

2015年4月10日

WIN WIN代表 赤松良子

今年に入ってフランスで地方議会の選挙があり、4月に日本での統一地方選がある。どちらも国会議員の選挙ではないので政権交替というようなことにはならないが、女性の政治参画という観点からは興味深いものがあるのではないだろうか。

フランスの場合、パリテ(50対50)法の影響をもろに受け、女性議員の比率は見事50%となった。前回16.6%だったのだからまさに「様変わり」である。議場の様子がどんな風になるのか見に行きたい気持ちがするのも私だけではないかも知れない。

それにひきかえ、わが国では(といっても選挙はこれからではあるが)告示のあった立候補者のうち女性は11.6%台にすぎない。それでも2桁になって過去最高だというのだから恐れ入ってしまう。中でも残念なのは、自民党の3.6%という少なさである。県議会の場合、首長が自民党とは限らないから自民党イコール与党とはいえないが、それでも中央政権と関係の深い県議に女性の姿がこんなに少ないのは困るのではないか。候補者探しに難航したために無議席選挙区を多く出したといわれる民主党はその点女性58で自民党より10人多く立てている。それでも比率は16.5%と二割にも満たない。その点、共産党は275候補者中女性128で46.5%を占め、半数近いというのは立派といいたいが、内容を考えると、そうでもないと思えてくる。というのは、すべての選挙区で候補者をたてるというのが党の方針のようで、それ自体は筋の通った見識であるが、当選の可能性があまり無いという区があり、そこに立てる候補には女性を向けているのが実態らしい(推測にすぎないけれど)からである。議員に立候補するには、現在時点で就いている職業を辞めなければならないから、家族の生活を支えている者(多くは男性)にとっては当選の可能性が大きいのでなければダメッジが強すぎるであろう。

その点生活費を稼がなくてもすんでいる者であれば、落選してもダメッジは小さいと考えることができる。そこで女性をということになっているとまで言うと、もの事をネガティブに見過ぎると思うので、あえて別の見方もしてみよう。

いやしくも県議会の議員候補ともなれば、相当程度の経歴がなければおかしいと思われるであろう。きちんとした職歴があるのがよいが、少なくとも反社会的な仕事が過去にあっては困るであろう。学歴は問わないとしてもある程度以上の教育を受けていることが望ましいであろう。

多数の人を前にして、自らの考えをはっきりと述べる弁舌が求められるであろう。何よりも先ずエリートになる意思と覚悟がなければなるまい。それだけのバックグラウンドを持った女性を揃えなければ、県議選に臨むことはできないのだから、決して容易な話ではない。

最後に残念なのは、今度の選挙、3分の1の選挙区では候補者の数が議席ギリギリのため無投票で501人の議員が生まれるという予想である。そして投票率まで最低を更新ということになりかねない点である。国民の自覚が強く望まれる所以であろう!