時代を視る

2024年9月ニュースレター 時代を視る NO362

2024年9月10日

一般財団法人WIN WIN 代表 山口 積惠

 

今夏は異常とも思える暑さとともに、列島をノロノロ縦断する台風で、各地で大きな被害を受けることになってしまいました。台風の被害を受けられた地域の皆様にお見舞い申し上げます。

皆様も動向を注視していることと思いますが、自民党の総裁選(9月12日告示、27日開票)に、続々と候補者が名乗りをあげていて、メディア報道のかまびすしいこと他なりません。同時に立憲民主党でも、党代表選(9月7日告示、23日開票)に向けて、かつての首相経験者(旧民主党政権の2011年9月に就任したが12年12月に政権交代した)や、前代表も出馬することになったなど、候補者が出そろいました。まもなく、それぞれ党の「顔」が決まります。

一方、アメリカの大統領選も思わぬ波乱が起きました。トランプ前大統領の狙撃事件があり、それでなくても現職のバイデン大統領の高齢化が問題視されていたこともあり、一気にトランプ氏が優位に立ったと思われました。ところが、バイデン氏にかわってカマラ・ハリス氏が立候補することになったことでリセットが成功し、民主党の巻き返しがすすんでいるというから、こちらも関心を持って見ていきたいものです。

 

さて、選挙と言えば投票で、投票用紙に候補者や政党の名前を書く「自書式」が一般的だと思われていますが、今回はあらかじめ候補者名が印刷された用紙に丸印を記入する「記号式」という方法が、東京都港区で実施されたことについて語りたいと思います。

それは6月2日に投開票が行われた港区長選挙で、実際に体験した区民の一人は「候補者名が書かれた用紙に、用意されていた丸印のスタンプを押して投票しましたが初めての経験です」と教えてくれました。

衆参議員選挙は自書式にするように法律で定められていますが、地方選挙は記号式でもよく、首長選挙に導入する自治体もあるそうですが、その数は多いとは言えません。記号式は手書きの記入が困難な有権者などには有効性が高いと思われますが、一方で用紙に印刷された候補者の順番が投票に影響を与えるという懸念も払しょくできません。「私は投票する人を決めていましたが、漠然と投票所に行ったら用紙の最初の人に〇をつける入がいるかもしれないと思いました」と語るのは

区民の吉田真紀子さん(WINWIN評議員)です。

調べてみると、日本のように自書式を原則とする国はまれだともいいます。一方で、どの選挙においても投票率アップは悩ましい問題であり、効果的な方法だと言われるインターネット投票もそう遠いことではないように思われます。記号式の投票が実施された自治体に住んでいる方の率直な意見も、お聞きしたいものです。

 

8月24日は亡くなられた赤松良子さんの誕生日であり、今年で95歳になるはずでした。そこで、岩田喜美枝さん、矢澤澄子さん、山下泰子さん、山口積恵が呼びかけ人となって、この日「赤松良子さん想い出の会」を、都内のレストランで開催し、約100名が参加し、赤松さんの思い出を語り合いました。

開会の挨拶で山下さんは「赤松さんは日本における女性の権利を国際レベルにしてくれました」と語り、実は赤松さんには高知のはちきんのDNAがあるとエピソードも紹介してくれました。岩田さんは「男女雇用機会均等法は赤松さんが言っていたように、小さく生んだものの大きく育っています。志を高く持つことと、実現するためには柔軟に対応しなさいと教わりました」と言い、浅倉むつ子さんは「赤松さんは勉強家でユーモアがあり、男女平等という共通意識があれば、立場が違う人でも巻き込んでしまう人間の大きさがありました」と思い出を語ってくれました。

参加者の方々からのメッセージやピアノ演奏、歌唱(WINWIN理事の渡邉嘉子さん)などを聞きながら、改めて赤松良子さんがよく話されていた「ジェンダー平等の長い列」に加わっていることを実感しました。さあ、一緒に歩みましょう。