時代を視る
2023年12月ニュースレター 時代を視る NO356
2023年12月11日
一般財団法人WIN WIN 代表 赤松良子
つい先日、「秋深し、隣は何をする人ぞ」など想い出して、イキがっていたのに、アッという間に、もう師走を迎えている。
年の終わりに送られてくる同窓会雑誌などを見て、懐かしい想いをすることもあれば、エッ、あの元気だった彼がこの夏に亡くなったんだって、信じられないと悲しくなることもある。
87歳なら、決して若死にとは言えないとは思うが、それでもずんと淋しい。女性は平均寿命が男性より7~8歳も長いから、気が楽だし、私など百歳をめざしているのは勝手なものだが、長寿には長寿でつらいものもある。近ごろ、白寿で逝った姉には、彼女の最期に、子供の時から世話になったお礼を言いたかったのに、コロナ禍のせいで旅行ができず(姉は関西在住)、言えなかったのはさみしいが、彼女自身は意識はあまり明晰でなかったとも思えるので、お礼を言っても通じなかったかも。残念に思うのは、こちらのおセンチのせいでしょう。
私自身、今や長寿を迎えており、目出度いことに違いない。しかし、一方、いい人に別れなければならないという思いに出会うことを覚悟しなければならない。これは何ともやるせないが、如何(いかん)ともなしがたい。「それが人生よ」と言うしかない。
この言葉=フランス語のC’est la vie (セ・ラ・ヴィー)
覚えた頃、仲の良い友人がいた。二人で時間を忘れて話し合うのが楽しかったが、ある結論が出たところで、声をそろえて、セ・ラ・ヴィー!と言うのが、何ともいい気分だった。結論自体は悲しい事なのに、である。その友人も今はなく(私より10歳以上うえだったのだから、仕方がないが)、これもまた、セ・ラ・ヴィーである。
世界に目を向けると、まだガザ!
悲惨なことが続いているらしいが、何をすることもできない。何をしたらいいのかもわからないのが口惜しい。せめて、子供たちにパンや水を送るユニセフの仕事は続いているようで、何とか、彼らが健康で年を越せるようにと願っている。